風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 1-1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 11:45:58
カメラNIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
恐山菩提寺は、青森県むつ市に位置する曹洞宗の寺院で、日本三大霊山の一つとされています。この寺院は、宇曽利山湖と呼ばれるカルデラ湖のほとりに建っており、外輪山に囲まれた霊場は、外部からはほとんど見ることができません。
恐山菩提寺の創建は862年にさかのぼります。慈覚大師円仁が夢の中で啓示を受け、この地に「恐山菩提寺」を建立したと伝えられています。
恐山は1万年以上前に噴火したとされる休火山であり、現在でも硫黄の匂いが漂う温泉が湧き出しています。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 2 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 08:19:54
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
恐山菩提寺の太鼓橋は、霊場恐山への入り口に位置しています。この橋は「三途の川」に架かっており、ここからが恐山の「地獄」の始まりとされています。太鼓橋を渡ることで、参詣者は霊域に入ることができます。
太鼓橋は、強烈な日差し、雨、雪、風にさらされ、老朽化していました。そのため、渡ることができなくなっていました。しかし、この度、千年の風雪に耐え得るよう、参詣者がいつでも渡れるように石造りの太鼓橋へと生まれ変わることになりました。
なお、太鼓橋には特別な言い伝えがあります。悪人がこの橋を渡ろうとすると、橋が急に糸のように細く見えると言われています。また、帰りは橋の上で振り返ってはいけないとも言われています。これらの言い伝えは、太鼓橋が「あの世」と「この世」を分ける「三途の橋」であることから来ています。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 2 -2 ]
撮影日 2022/09/12 08:27:02
カメラNIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)は、日本の仏教における死後の世界の存在です。人が死んだ後、最初に出会う冥界の官吏が奪衣婆とされています。奪衣婆は亡者の衣服を剥ぎ取り、その衣服を懸衣翁が受け取ります。
奪衣婆と懸衣翁は、三途の川のほとりにある衣領樹(えりょうじゅ)という大樹の下にいます。奪衣婆が亡者から剥ぎ取った衣類を懸衣翁が衣領樹の枝にかけ、その枝の垂れ具合で亡者の生前の罪の重さを計るとされています。
罪の重い亡者は三途の川を渡る際、川の流れが速くて波が高く、深瀬になった場所を渡るよう定められています。そのため、衣はずぶ濡れになって重くなり、衣をかけた枝が大きく垂れることで罪の深さが示されます。また、亡者が服を着ていない際は、懸衣翁は衣の代わりに亡者の生皮を剥ぎ取るとされています。これらの存在は、人々に生前の行いの重要性を教え、善行を促す役割を果たしています。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 2 -3 ]
撮影日 2022/09/12 08:21:16
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
宇曽利湖は、青森県むつ市に位置する下北半島国定公園内に指定されています。この湖は、かつては宇曽利山(うそりやま)として知られ、その名も恐山の古名に由来しています。
恐山山地の剣山の噴火によって形成された宇曽利湖は、カルデラ湖として知られています。湖の外輪山からは十数本の河川が流入しますが、湖からは津軽海峡に注ぐ正津川(しょうづがわ)1本のみが流れ出ています。また、湖の北東部は霊場恐山の境内となっており、温泉や火山ガス、水蒸気が噴出する場所があります。
宇曽利湖にはウグイ1種のみが生息しています。その他にも水生昆虫やプランクトン、プラナリアなどが見られます。湖の水質は非常に酸性であり、pH3.2~3.8に達します。一般的にはこのような環境では生物が生息できませんが、宇曽利湖のウグイは世界でも最も酸性の強い湖に生息する魚の一つとして知られています。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 3 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 08:54:10
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
「総門」とは、一般的に建物の敷地の外側に設けられる正面の門を指します。城や寺院、邸宅などさまざまな場所に見られます。「総門」はその建物や敷地への主要な入口となる門であり、訪れる人々を迎え入れる重要な役割を果たしています。恐山菩提寺の総門も、この定義に従っています。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 3 -2 ]
撮影日 2022/09/12 08:47:59
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
慈覚大師円仁(えんにん)は、恐山の建立者として知られています。円仁が唐で修行している間、ある夜、夢の中に聖者が現れ、「国に帰り、東方へ三十余日行った先に霊峰がそびえ立っている。そこで地蔵菩薩を彫り、仏法を広めよ」と告げました。この啓示に従って帰国した円仁は、東方を目指し旅を続け、ついにその霊峰として恐山を発見したのです。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 4 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 10:52:21
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
恐山の大師堂は、恐山霊場の一部で、ここには慈覚大師円仁が彫刻したと伝えられる地蔵菩薩像が安置されています。大師堂の周囲には、参拝者が回向(死者の供養)のために積んだ石が見られます。大師堂からは、極楽浜や宇曽利山湖との美しい景色を望むことができます。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 5 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 10:30:12
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
八角円堂(地蔵堂)は、八角円堂は、死者の霊が降りてくる場所として知られています。この堂内には、故人の遺品と思われる衣服や日用品が厳かに保管されています。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 5 -2 ]
撮影日 2022/09/12 10:21:11
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
八角形は、中国の古代の陰陽思想に由来しています。八角形の各角を結ぶと、円に非常に近い形が生まれるため、縁起が良いとされています。さらに、八角形の建物は、一般的には故人の魂を供養するために建てられることがあります。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 5 -3 ]
撮影日 2022/09/12 10:24:27
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 5 -4 ]
撮影日 2022/09/12 10:32:01
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 6 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 09:57:06
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
恐山の麓にある極楽浜は、宇曽利湖のほとりに広がる白い砂浜です。その美しい風景はまるで極楽浄土を思わせます。湖面は透き通ったエメラルドグリーンで、晴れた日には驚くほどの美しさが広がります。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 7 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 10:15:01
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
この慰霊塔には、地蔵尊の両脇に「鎮魂の鐘」と「希望の鐘」が置かれています。これらの鐘は、どちらも鳴らすと霊場内に美しい音が広がります。鎮魂の鐘は亡くなった方々への哀悼の意を表し、希望の鐘は未来への期待と再生を象徴しています。これらの鐘が鳴り響くことで、訪れる人々は心の奥底で感動と共感を覚えることでしょう。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 8 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 09:29:46
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
地蔵尊のある八葉塔は、宇曽利湖を囲む八つの山を八葉の蓮華の花に例えたとのことで、裏に硫黄を採掘した跡がありました。地獄のなかで最も高い場所にあるのが、恐山菩提寺の本尊となっている「延命地蔵尊」です。急勾配の岩場を進むと近寄ることができ、この辺りからは恐山の本堂や社務所、宇曽利湖が一望できます。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 9 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 11:02:23
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 9 -2 ]
撮影日 2022/09/12 11:01:41
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
阿形と吽形の仁王像は、仏教の護法善神である金剛力士を表現した像で、寺院の表門などに一対として安置されることが多い。阿形は開口し、吽形は口を結んでいる。これらの像は、寺院内に仏敵が入り込むことを防ぐ守護神としての性格を表している。
恐山にある菩提寺にも、約三メートルの大きな阿形と吽形の二体の仁王像が安置されている。これらの仁王像は、寺院を守るために設置され、その存在感は圧倒的である。阿形像は怒りの表情を顕わにし、吽形像は怒りを内に秘めた表情をしている。
なお、阿形と吽形の仁王像は、それぞれ「宇宙のはじまり・終わり」を表した存在であると言われている。これらの像は、寺院の山門に設置されることから「仁王・二王(におう)」の名で呼ばれる。また、「伐折羅陀羅(ばざらだら)」「跋闍羅波膩(ばじゃらぱに)」「密迹金剛」「金剛手(こんごうしゅ)」「持金剛(じこんごう)」とも呼ばれる。このように、阿形と吽形の仁王像は、寺院の守護神として重要な役割を果たしている。
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 10 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 08:37:52
カメラ NIKON D810
レンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
「六大地蔵」は、死後に向かうと言われる六道の世界を象徴しています。これらの六道とは、多くの善行を積んだ者がいく天道、己の本能や欲望のままに生きた者がいく鬼畜道、強い競争心や自尊心をもつ者がいく修羅道、自殺や殺人など悪行を積んだ者がいく地獄道、欲深く富や権力に執着した者がいく餓鬼道、そして人の道からなる6つの道を指します。
六道の世界(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天国)救ってくれる六地蔵
檀陀地蔵・宝珠地蔵・宝印地蔵・持地地蔵・除蓋障地蔵・日光地蔵
風景の写真・ 恐山菩提寺 2 [ 11 -1 ]
撮影場所 恐山
撮影日 2022/09/12 11:42:46
カメラ NIKON D810
レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
青森県下北半島の中央に位置する活火山、恐山。それは日本三大霊場の一つとして知られています。しかし、実際には「恐山」という名前の山は存在せず、その地域は宇曽利湖を中心に釜臥山や大尽山などの八峰から成り立っています。
恐山はその神秘的な雰囲気から、あの世に最も近い場所とされ、供養や故人の追悼の場として、全国各地から多くの参拝客が訪れています。
恐山は下北半島国定公園に指定されており、火山ガスの影響で草木が育たず、動物も稀少であることから、地獄や霊場と同一視されるようになりました。そのため、恐山はまるで地獄と極楽が交じり合うような不思議な場所として、人々の興味を惹きつけています。